ごあいさつ

1992年のブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された「環境と開発に関する国際連合会議(UNCED)」において合意された27原則から成るリオ宣言に始まった環境への一連の取組みが、COP21のパリ合意を経て、2020年以降の温室効果ガス削減に対する国際的な取組みという新たなステージに入ります。

しかしながら、日本の「2030年までに2013年比で26%削減」という目標は、気候変動の脅威を食い止めるという本質からすると、十分な目標とは言い難く、日本の能力から考えても、もっと意欲的な目標も可能ではないかと意見も数多く聞きます。

未だ先の見通せない福島の原発事故。このとてつもない過酷事故を契機に、日本全国でおよそエネルギーとの縁のなかった住民や地域が主導し、それぞれの地域に存在する太陽光、風力、小水力、地熱、バイオマス等の自然エネルギー資源を活用した発電事業、熱供給事業、多目的利用等を地に足をつけて始める動きが相次ぎ、これからも多種多様な動きがゆっくりと、しかしながら、しなやかに増加していくものと思われます。

このような地域におけるうねりをより確固としたものにするため、私たちは地域に根ざした自然エネルギーを地域の力で発掘・開発し、或いは地域資源である自然エネルギーを地域の主要な産業である農林水産業と連携によることで、更なる相乗効果を発揮していくものと考えます。具体的には、自然エネルギーの導入と併せて、熱の効果的利用、熱電併給システムの導入拡大、自然エネルギーと省エネルギーを一体的運用、積雪寒冷地の北海道ならでは雪冷熱の農業利用等により、地域資源を活用した豊かな暮らしと災害時にも対応したエネルギーを確保し、スマートシティ・スマート農林水産業の実現により、地球環境保全、エネルギー自給率向上、ひいては持続可能な地域社会の発展に寄与していきたいと思います。

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